Futures Wheelで深めるトレンドの理解【vol.317】

メールマガジンバックナンバーシリーズ
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先週はある企業の新任リーダー向けのトレーニングとして、シナリオプランニングのやり方をお伝えし、自社の将来を検討していただきました。

 さすが、リーダーになる方たちだけあって、今、話題になっているトレンドなどをよくご存じでした。

トレンドの理解をアップデートするとは?

しかし、現在のような先が読みにくい時代にリーダーとして事業や組織をけん引していくためには、そのようなトレンドを「理解している」という状態をアップデートしていかなければいけません。

 そのようなトレンドを「理解している」と答える人の中には、単に「そのトレンドを表す言葉の定義を言える」こととイコールだととらえている人もいます。

 もちろん、それ自体はまったく悪いことではありませんが、その知識を事業や組織に活かすためには、もう一歩踏み込んで理解したいところです。

 では、どのようにすれば、もう一歩踏み込んで理解することができるのでしょうか。

 それは「そのトレンドによる自社の事業への影響までを理解する」ことです。

生成AIの働き方への影響までを理解するために

 具体的な例も使いながら考えてみましょう。 例えば、「生成AI」については、このメールマガジンの読者の方であれば、よくご存じだと思います。 しかし、ここで、本や雑誌、オンラインメディアなどでよく出てくる生成AIの定義だけを理解していたり、ChatGPTやCopilotを使ったことがあるというだけでは、「影響までを理解」している状態にはなっていません。

そうではなく、例えば、

  • 自社の自分の担当業務のどこで生成AIを活用できる可能性があるのか?
  • そこで活用すると、今の担当業務はどのように変わっていくのか?
  • その担当業務が変わることで、組織の構造や人材にどのような影響があるのか? 

 というようなことまでを考えることが理想です。

 ここまでを考えると「生成AIの定義を理解しつつ、それによる働き方への影響を理解している」という状態になることができます。

 行動につながる知識の仕入れ方

さまざまなメディアを丹念に読み込み、そこで言われていることを理解することは、時代の変化についていくために重要です。そして、そのような行為が、ご自身の知的好奇心からやっていることであれば、定義として理解しているだけでも十分かもしれません。

 しかし、新しいトレンドなどを知ることを、自分の仕事、あるいは自分のキャリアに活かすためにやっているのであれば、単に知識として理解することにとどまらず、「行動につながる知識の仕入れ方」を意識すると良いでしょう。

 「行動につながる」とは、仕入れた知識を元に、意思決定の質を向上させたり、リスクを想定したり、新たな事業の検討につなげたり、従業員の満足度向上につなげるということ。

 そのためには、単に知識として仕入れて終わりにするのではなく、理解の対象が自社、あるいは自分自身にどんな影響を及ぼすのかを考えるところまで踏み込むと良いでしょう。

 弊社の勉強会でも使っているFutures Wheelは、そのような検討をやりやすくするためのツールなのです。

コラムで取り上げているその他の話題

1-シナリオテーマ設定 3-重要な環境要因の抽出 4-ベースシナリオ作成 5-複数シナリオ作成 5フォース 6-シナリオ詳細分析 7-戦略オプション検討 DX 『実践 シナリオ・プランニング』 『進化思考』 アイデアソン イノベーション オンラインワークショップ コンティンジェンシープラン シナリオプロジェクトマネジメントモデル ジョブ理論 チームビルディング デザイン思考 ネガティブ・ケイパビリティ パターン・ランゲージ パーパス ビジネスモデル ビジョン メンタルモデル リーダーシップ リーンキャンバス レジリエンス ロジックモデル 不確実性 事業開発 仮説検証 対話 悪魔の代弁者 成果 成果物 戦略 戦略的対話 文化開発 未来創造ダイアローグ 焦点錯覚 現状分析 社会構成主義 組織学習 組織資源 組織開発

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単に複数シナリオをつくって終わりにしないためにも、プロジェクト等の設計時点からご相談いただくことをお薦めしています。