目の前のことだけにならないためのシナリオプランニング
スタイリッシュ・アイデアの新井です。
今週はお盆休みを取られていた人も多いかもしれませんね。本来は暑い中、少しでもゆっくりしたいこの時期に、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の呼びかけや台風による新幹線の運休などで、思っていたような休み方ができなかったという人もいたのではないでしょうか。
巨大地震注意の呼びかけが出るきっかけとなった8月8日は、ちょうど福岡でセミナーをやっていました。
福岡でシナリオプランニングセミナー中に地震が…
福岡銀行さんが運営するGROWTH I(グロース・ワン)は、スタートアップと地域企業の融合を生み出すことを目的とした施設で、福岡大名ガーデンシティのテラス棟にあります。
リンク先を見ていただくとわかるとおり、とても開放的な施設で、そこのイベントスペースにてシナリオプランニングの紹介と体験セミナーを行いました。
セミナーは13:00から始まり、個人でのシナリオプランニング体験、そしてグループのシナリオプランニング体験と進め、実践をとおして「将来における不確実な可能性を考え、それに備えること」を学んでいただきました。
そういう体験を振り返ることにつながるような話しをしていたまさにその時、参加者の皆さんのスマホから緊急地震速報が鳴り、宮崎県日向灘の地震が起きました。
その後、継続しても問題ない状況となったので、最後までセミナーを続けましたが、「不確実なことに備えなければいけない」ことを、自分自身も実感した時間になりました。
目の前のことを考えることは仕方がない
それから1週間ちょっと経ち、巨大地震注意の呼びかけも終わりました。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉のとおり、しばらく時間が経つと、未来の不確実なことよりも目の前のことにだけ注意が向き、あの時に感じていた緊張感や「備えなければ!」という気持ちもだんだんと薄れてきます。
日々、業務を進めていくためには、将来における不確実なことよりも、目の前のことに意識がいくのは当然のことです。
シナリオプランニングをやっていると「目の前のことを考えることは良くないことだ」と考えているんじゃないかと勘違いされることがありますが、そんなことはありません。
そうではなく「目の前のこと"だけ"しか考えないのは良くないことだ」とは考えています。
目の前のことから抜け出すためにシナリオに触れる
私にしても、いくらシナリオプランニングや未来創造ダイアローグをやっているからといって、常に未来のことだけを考えているのかというと、もちろん、そんなことはありません。むしろ、どちらかというと、いつも目の前のことばかりに引っ張られそうになります。
それでも「目の前のこと"だけ"」にならないのは、定期的に自社のためにつくったシナリオを見返し、振り返りだけではなく「むきなおり」もやっているから。
「むきなおり」についてはまた別の機会で書きますが、大事なのは「定期的にシナリオに触れること」、言い換えれば「定期的にシナリオを元に組織の中で対話をすること」が大切です。
そのためには、シナリオプランニングの取り組みを一過性のものにしないこと、継続的に触れることができる仕組みをつくることが大切です。
もちろん、しょっちゅうシナリオをつくることはなかなかできません。しかも、一度つくったシナリオをそのままにしておくのはもったいない。だからこそ、シナリオを元にした対話を行える未来創造ダイアローグが効果を発揮するのです。
仕組みや手法はどうであれ、「目の前のこと"だけ"しか考えていない…」から抜け出すためにも、シナリオプランニングに取り組むことだけではなく、シナリオプランニングを続ける仕組みを整えることにも目を向けましょう。
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単に複数シナリオをつくって終わりにしないためにも、プロジェクト等の設計時点からご相談いただくことをお薦めしています。